訴訟のパターン ①遺産をめぐる紛争(遺言のあるとき/遺言が無効であるとき)

 

① 遺産をめぐる紛争

 

B,遺言のあるとき
 親が遺言を遺したとき、特に紛争が多いのは「遺留分減殺請求」訴訟です。
 何らかの家庭の事情によって、親が、遺言によって、ある子だけに遺産を与え、他の子に何 も与えないような場合、又は、ある子だけに特に多く与え、他の子には少ししか与えないような場合、兄弟姉妹間で深刻な争いがおきます。
 遺留分を請求出来るのは、兄弟姉妹以外の相続人に限られており、例えば、相続人が子だけ の場合、遺留分は、2分の1とされていますから、子が二人のときは、遺留分は各自につき4分の1となります。
 2人兄弟で何ももらえなかった者は、他者に4分の1しか請求出来ないということになりま す。
 遺留分請求は、原則として親の死亡や、減殺請求できる贈与・遺贈があることを知った時か ら1年以内に請求する必要がありますから、必ず、内容証明郵便で、権利行使の意思を表示しておきます。
 遺留分の認められる金額は、遺留分額を基礎とした、やや複雑な計算によって結論を出しま す。

C,遺言が無効であるとき
 「遺言無効確認」の訴訟を提起し、主張・立証していくことが必要です。
 老令となり、認知症などの症状がある資産保有者に、相続人らのうちのある者が、また、相 続権の全くない縁者・知人などが、何度となく見舞い、誰にも知られないままに遺言書を作成させ、密かに自分のみが遺産をとってしまうというような例がよくあります。
 このような場合、遺言作成に至る具体的な経過や、遺言者の症状についての医学的な判断、 遺言者と受遺者との関係などから、遺言能力(有効に遺言をなし得るために必要な精神能力)の有無の判断が必要で、裁判の結論が微妙に分かれたりします。